2024年07月22日(月) アルツハイマー病治療薬レケンビ®(レカネマブ)について
令和51220日に新しいアルツハイマー病治療薬であるレケンビ®(レカネマブ)の製造販売が承認され発売されました。

当院においても、この薬を安全かつ適正に使用できるように体制を整え、令和67月より運用を開始しています。

 

レカネマブは従来の薬剤にはない病気の原因に直接作用する新しい治療薬です。軽度のアルツハイマー病もしくはアルツハイマー病に基づく軽度認知機能障害(MCI)の方を対象としており、投与までにはいくつかの検査が必要となります。

 

レケンビ®(レカネマブ)による治療対象となる方が、当院を受診されてから実際の薬剤投与までの流れを簡単に説明させていただきます。

 

(初回:初診時)

・神経診察に加えて簡易的な認知機能検査、血液検査を実施します。

・認知機能検査で一定の基準をクリアした場合に頭部MRI検査の予約を行います(ペースメーカーを装着されている患者様はMRI検査ができない場合があります)。

MRIは院内検査扱いで、近隣の提携医療機関で実施します

 

(受診2回目)

MRI検査の検査結果をご説明します。

MRI検査で基準をクリアし、アルツハイマーによるMCI(軽度認知機能障害)または初期のアルツハイマー型認知症が疑われる患者様に、アミロイドPETの検査予約を行います(アミロイドPETは外部医療機関に外注しています)

・レケンビ®投与にあたり高額医療制度、アミロイド関連画像異常(ARIA)を含めた有害事象についてご説明します。

 

(受診3回目)

・アミロイドPETの検査結果をご説明します。

・初診時からの診察とその後の全ての検査の結果を元に検討し、レケンビ®投与の対象に該当するか否かを判断させていただきます。仮に適応となった場合には初回投与からの治療スケジュールを作成し提案します。

・その上でレケンビ®投与についての患者様用希望確認シート(レケンビ同意書)にサイン頂きます。

 

(受診4回目)

・レケンビ®の初回投与となります。点滴による治療であり1時間程度かけて点滴します。

*初回投与後は、副作用が出現しないかどうか院内で12時間程度待機していただきます。

 

(受診5回目以降)

・治療は2週間に1回、使用期間は原則1年半です(それ以降については継続するかどうか再度検討します)。

・投与開始後は脳の出血や浮腫などの副作用の確認のため、定期的な頭部MRI検査が必要になります。